1on1 で何を話すか?
マネジメント系の記事を書くのってけっこう久しぶりなんですね。
【過去の】
- https://hatone-hr.hateblo.jp/entry/yamenai-saiyou
- https://hatone-hr.hateblo.jp/entry/what-needs-engineer-manager
- https://hatone-hr.hateblo.jp/entry/engineer-managers-log
私としてはリーダーをやってもらいたい方がいたので、
2月にリーダーのポジションはその信頼できる人に託し、
あとは困ったことがないか時々聞く隠居の身となったのですが、
1年やったまとめとして書いておきます。
でも基本的には、『ヤフーの1on1』を読むのが一番わかりやすいです(笑)
たまに読み直さないと忘れてしまうのですが、ここには大事なことが多く書かれています。
ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法
- 作者: 本間浩輔
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/04/28
- メディア: Kindle版
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以下は、私個人の考えを多く出しています。
『ヤフーの1on1』では 1on1 の目的を「部下の成長のため」と定義づけているので、
のっけから異なっています。
1. 1on1 はどうしてやるのか?
一言で言うと お悩み相談室 です。
お仕事に集中できるように、障害は私が取り除くよ! というわけですね。
マネージャーってチームに対しては奉仕種族でいるのがいいですね、たぶん。テケリ・リ、テケリ・リ。
でも、大事な問題があります。
あなたは悩みを相談するのに値する人なのでしょうか?
この問題を解決するために、あなたは「赤の他人」から
「信頼できる仕事仲間」にまでステップアップしなければいけません。
2. 日常会話をしよう
すごく簡単ですね。
「週末どうしてた?」みたいな。
これすら相手が言いよどむようなら、相手からの信用はまだ得られていないので、
お悩み相談どころではありません。
もっと相手のことを知って仲良くなりましょう。
と言ってもそれがけっこう難しかったり。
専門の書籍に頼りましょう……。(下記の本は読んだことありませんが評判良さそう)
- 作者: 岩崎一郎
- 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
- 発売日: 2012/02/14
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3. 相手の話をよく聞こう
会話に割り込むのやめましょう!
たまにそういう人いるので最初に……(笑)
1on1 に限りませんが、相手が永遠にとめどなく喋り続ける人でもない限り、
相手の言葉を切って話し出すのはやめましょう。
「人の話を聞かない人」という印象を相手に与えます。
相手がひと通り話し終わったあとに一呼吸置いて「なるほど…」と返すくらいが、
1on1 の会話としてはちょうどいいくらいです。
また、あなたが何か質問して相手が答えを考えるときも待ちましょう。
30秒くらい無言の時間になることもありますが、放送事故とかはないので、
口を挟まないように気をつけ、ゆっくり相手に考えてもらうようにしましょう。
1on1 の場では、障害解決のために相手の問題解決能力を高めるのも大事なので、
熟考の機会を阻害してはいけません。
問題解決のために熟考する習慣を作るのは、相手にゆくゆくはリーダーを任せるためにも大事です。
(全員がリーダーになり得るようなチームになっておくのが大事ですからね!)
4. 自分の悩みを相談しよう
悩みを相談するというのは、「あなたを信頼していますよ」という気持ちの表れです。
あまり悪い気がするものではありません。
ですので、こちらからも悩みを相談しましょう。
特にチーム作りに関する話などがいいです。
これは上の話とつながっていて、相手にゆくゆくはリーダーを任せるために、
「あなたがリーダーだったらどうするか?」という趣旨の質問を投げかけられるからです。
例えば、「今期のマイルストーンにこのタスクを含めるか迷っている」だとか「チームみんなの給与を上げるにはどうすればいいんだろうね?」とか、
リーダーになったら考えるようなことを投げかけてみてください。
相手も一生懸命考えてくれ、視野になかったアドバイスをくれるので、
お互いの成長のためにもこれは有意義です。
5. 相手の顔を見よう
メモを取るのに夢中になって、話してる相手の顔を見ない人がたま〜にいますが、
これは「何も話を聞いてくれない」印象を強く出してしまうので避けたほうがいいです。
とはいえ、メモを取らなかったばかりに 1on1 の内容を全て忘れるようでも
それこそ何も話を聞いてないのと一緒になってしまいますので、
メモは 1on1 のあとにササッとまとめるか、「1回ちょっとまとめていいかな」と相手に断ってPCに打ち込むなどするといいと思います。
6. 相手の悩みには必ずアクションをとろう
相手が今困っていることや悩んでいることを相談してくれたとしましょう。
それだけの信頼は得られているということです。幸せものですね。
ことの大きさによっては相手に「相談してくれてありがとうございます」と言ったほうがいいですね。
さて、せっかく悩みを話してくれたのなら、
相手に「結局この人は何も解決してくれない」と落胆させないよう、
出来るだけの行動をする必要があります。
行動する前にはまず、問題の本質を知らないといけないので相手の話を深く掘り下げましょう。
ここは『ヤフーの1on1』の第1章を読むのが一番よくわかりますのでそちらに譲ります。
問題に対するアプローチが見えてきたら、「じゃあこうしましょう」という話になると思います。
それは、相手だけで解決できる問題かもしれませんし、
あなたが別の人に話しかけないと解決できない問題かもしれません。
あなたの行動を必要とする解決法であるなら、あなたはすぐに行動し、
そしてそのアクションをすぐに逐一、相手に報告しましょう。
解決に至るかまではわかりませんが、その行動が、
相手の次の悩み相談のしやすさにつながるので、大切にしてください。
7. その他の話
上では「悩み相談」の部分にフォーカスしすぎましたが、
今後のキャリアをどうしたいか はそれとは別に話しておいたほうがいいですね。
相手の今後の成長のためにも、マネジメントのためにも。(タスクの割り当てとか、長く会社にいる予定かの予測のためなど)
「まだわからない」って答えの人も多いと思いますが、それならそれでいいと思います。
そんなにすぐ見つかるものでもないので、
1on1 で適当な決め方して相手の視野を狭める必要はなくて、
「今はどういうことしたいか?」の漠然とした希望があるかだけ聞ければ充分だと思います。
あと、1on1 に関する記事で「1on1 はタスクの確認をするところじゃない」なんて書かれ方をしているところがあって、
まあ、それももっともなんですが、今やってるタスクの話から悩みの話がふっと湧いてくることもあるので、
特に日常会話が思いつかなければタスクの話とかしていてもいいと思います。
8. 1on1 の場所
「会議室が取れない問題」というのがあります。
でも、本当に会議室でやらないといけないのでしょうか……?
私の場合、1on1 を受ける側だったとき、
会議室でやると圧迫された雰囲気を感じて話しにくかったことがあります。
1on1 は話しやすいことが一番ですので、必ず会議室という必要もないと思います。
たまには会議室以外の、あまり他の社員に話を聞かれないような場所で話してみるのもいいかもしれません。
Yahoo! の場合ですと、喫茶店での 1on1 は経費で落ちるそうです。
2杯のコーヒーで1000円くらいですから、あらかじめ経理と相談してその方向で行けるか検討してみるのもいいですね。
9. おわりに
というわけで、1年のリーダー経験を踏まえてわかってきた 1on1 の話でした。
やっとわかってきて言語化できたのはよかったんですが、
最初に書いたようにリーダーを託したのでもう 1on1 をしないという問題が……(笑)
くだらない話が好きすぎて、
日常会話で 30 分を終わらせていることも多い私ですが、
ここで書いたことをもう少し意識すると良いんじゃないかなと思いました!
悩みを相談するのに値する人でいたいですね。